
リスニングが苦手でできれば楽しく克服したい…。
洋楽ってリスニング対策に有効なのか教えてほしい!
こんな疑問を抱えていませんか?
この記事では、20年以上洋楽を聞き続け、独学で英会話を習得した私が「洋楽でリスニング力は強化できるのか?」について実体験に基づいてお伝えします。



では早速、本編にいきましょう!


- 上智大学外国語学部卒 / TOEIC810点
- ほぼ独学で英語を習得
- オーストラリア人の夫と国際結婚
- 英語が大好きで、今もコツコツ勉強しています
- 心と習慣を整えながら、
英語を楽しく続けるヒントを発信中 - プロフィールページ はこちら
結論:洋楽はリスニングの練習に意味はないって本当?


ズバリお伝えすると、意味はあります!
……が、効果となると正直「う〜ん、ちょっと弱いかも」というのが本音です。汗
たしかに、洋楽リスニングは「英語の音に耳を慣れさせる」という点では役立ちます。
全く英語の音に触れていない状態よりは、洋楽を聴いているほうが断然いい。
生きた英語の音に触れる大きなきっかけになります。
ただし、「リスニング力を本格的に伸ばしたい」という場合、洋楽を聴くだけでは全然足りません。
実は、洋楽には日常会話とは違った特徴があり、それが「聞き取りの難しさ」に繋がっているからです。
詳しくはこのあとご紹介しますが、それを知らずに「洋楽ですべてを正確に聞き取ろう!」と完璧を目指すと、かえって遠回りになることも…。
一方で、洋楽だからこそ得られるメリットもたしかにあります。
では、洋楽リスニングにはどんな魅力と落とし穴があるのか?
次の章で詳しく見ていきましょう!
リーディング・スピーキング面に関する効果について気になる方はこちら


洋楽リスニングのメリット


洋楽は「勉強っぽくない」のに、実はリスニングの入り口になってくれる頼もしい存在。
ここでは、洋楽を英語学習に取り入れることで得られるメリットを3つご紹介します。
英語に触れるハードルが下がる
何よりのメリットは、英語に触れるハードルがぐっと下がることです。
机に向かって勉強するのが苦手な人でも、好きな曲を聴く感覚なら気軽に英語に触れることができます。
「勉強しなきゃ」というプレッシャーも少なく、自然との英語が縮められるのが嬉しいポイント。
英語を継続する上で、「楽しく触れられる環境」はとても大事です。
洋楽はその入り口として最適ですし、学習のモチベーションを保つ力にもなります。
ネイティブのリアルな発音を聞ける
洋楽は、教科書ではなかなか学べないネイティブのリアルな発音に触れられる絶好の機会です。
英語教材の音声はクリアで丁寧に話されていることが多く、実際の会話よりもわかりやすく作られています。
一方で洋楽には、ネイティブが実際に使っている自然なスピードや発音が詰まっています。
例えば…
このフレーズでは、「counter」の t の音が弱くなり、実際には “counner”(カウナー)のように発音されています。
ネイティブが発音する英語ではこのように t がほとんど聞こえなくなる「フラッピング」という現象がよく起こります。
教材の発音では「カウンター」とTが発音されることが多いですが、実際の会話や洋楽ではこのように音が変化して発音されることもよくあります。
つまり、洋楽を聴くことで、「学校で習った発音」と「実際に使われている発音」のギャップを自然に埋めることができます。



洋楽は、ネイティブのリアルな発音を知るきっかけになります。
結果として、海外ドラマや映画のセリフも「知ってる音だ!」と感じる場面が出てくるはず!
繋がって聞こえる音に慣れる
洋楽は、リエゾン(音のつながり)や省略された音に慣れるのにとても効果的です。
実は、この繋がる音や消えてしまう音こそ、英語が英語らしく聞こえるポイント。
私たち日本人が英語を聞き取る上でつまずきやすい部分でもあります。
英語は、単語をひとつひとつはっきり発音する言語ではありません。
会話では音と音がなめらかにつながったり、一部の音が落ちたりして聞こえるため、慣れていないと何を言っているのか分からなくなってしまいます。
例えば、Ed Sheeran の “Shape of You”にある歌詞だと次のようになります。
♪I’m in love with the shape of you
カタカナ読み:アイム イン ラブ ウィズ ザ シェイプ オブ ユー
実際の音:アミラー(ヴ)ウィダッ シェイパーヴュー
洋楽を聴いていると、こうした英語特有の音がたくさん見つかります。
さらに、気に入ったフレーズをシャドーイングしたり、口ずさんだりすることで、より聞き取りやすくなりますよ。



音の変化に気づけると、聞こえ方がガラッと変わってきますよ。
洋楽リスニングのデメリット


洋楽には、英語の音に親しむ・モチベーションが上がるといった魅力があります。
とはいえ、「英語学習」としての側面に目を向けると、注意すべき点もあるのも事実。
ここでは、洋楽リスニングのデメリットを3つの視点から解説していきます。
英語に集中しづらい
洋楽は「音楽」として楽しい反面、英語の内容に集中するのが難しくなります。
英語に限らず、日本語の曲でも「なんて歌ってるのかよく分からないまま聴いてた…」なんてことありますよね。
実際、音楽にノってしまうと、歌詞の意味までしっかり追うには意外と集中力が必要になります。
わからない部分もスルーしがちですし、BGMとして流しているだけではなんとなく聞いた気になるだけ…。
BGMとして聞き流すのであれば、リスニング効果はほぼゼロに近いと思います。
つまり、洋楽をリスニング教材として活かすなら、能動的に聴くことが大前提。
歌詞を見ながら聞いたり、「ここなんて言ってるんだろう?」と意識して聴くことで、はじめて学習としての効果が出てきます。



まずは1曲だけでも「聴き込んでみる」ことから、ぜひ試してみましょう!
歌詞が抽象的で、意味がつかみにくい
歌詞は、文脈や状況説明が少ないため、意味を正確に理解するのが難しいことがあります。
英語に限らず、歌の歌詞は、会話と違って詩的な表現が多くなります。
出来事や感情をそのまま語るのではなく、あえて抽象的・比喩的に表現することでアートとして成り立っているんですよね。
それが歌詞の美しさでもありますが、英語学習という視点では、少しハードルが上がる面もあります。
例えば…
単語の意味は分かっても、「それってどういう意味?」「何を伝えようとしてるの?」と戸惑ってしまいますよね。
実は、The Big Apple(ビッグアップル)はニューヨークの愛称。
「この街=リンゴ(=ニューヨーク)」という比喩になっています。
つまり、「この街がリンゴなら、一口かじってみたい=ニューヨークという街を体験してみたい」という冒険心や好奇心を表していると考察できるんです!
さらに、比喩が少ない曲でも、登場人物や背景がぼんやりしていて、ストーリーがふわっとしか見えてこない曲もありますよね。
だから、洋楽を聴くときに読解問題のように「全部を理解しよう」と力を入れすぎなくても大丈夫。



意味が取りにくいことを受け止めて、シンプルな曲を選び直すといいでしょう。
会話とはリズムが違う
洋楽はあくまで音楽。そのため、発音やリズムが日常会話とは大きく異なることがあります。
リズムに乗せて歌うために、通常の発音よりも音を引き延ばしたり、逆にぎゅっと詰めたりといったアレンジが加わることがよくあります。
Michael Jacksonの “Smooth Criminal” にある
♪Annie, are you OK?(アニー大丈夫?)というパートは実際の会話の発音よりもリズミカル。
簡単なフレーズですが、実際には「アニアニュウォッキッ?」のようにかなり圧縮されて発音されています。
私は最初ずっと、“Are you…are you walking?” だと勘違いしてました(笑)
「え、歩いてるの?って誰が?なんで?」って、まったく意味がわからず…。(*_*)
日本語の歌でも「えっ、そんなこと言ってたの!?」と後から気づいた経験はありませんか?
ネイティブでさえ歌詞を見ないと分からないこともあるくらいですから、「聞き取れない=自分の英語力が足りない」と思い込む必要はありません。
ただし、こういった特徴があるからこそ、洋楽はリスニング教材のメインとして使うのには向いていない、というのも事実です。
「完璧に聞き取ろうとする」のではなく、「英語に触れる楽しさ」を優先して付き合うのが、洋楽リスニングを長く続けるコツです。



例外的な発音・リズムあくまで一部なので、あまり敏感にならず、楽しく聴いてOK!
洋楽リスニングを英語学習に活かす3ステップ


せっかく洋楽を聴くなら、ただ流すだけではもったいない!
英語学習としての効果を高めるには、ちょっとした「意識の向け方」が大切です。
ここでは、リスニング力アップにつなげるための3ステップをご紹介します。
英語の歌詞を確認する
まずは、英語の歌詞を確認しましょう。
「何を言っているか分からないけど、なんとなく聴いてる」状態では、英語力にはつながりにくいんです。
おすすめは、知らない単語や表現を調べて、曲全体の大まかな意味をつかむこと。
いきなり和訳サイトに頼るのではなく、自分の力で予測しながら意味をとろうとする方が、記憶にも残りやすくなります。



慣れてきたら、あえて歌詞を見ずに、耳だけを頼りに聞こえた英語を書き出してみるのも◎
なんて発音されているように聞こえるか、感じ取ってみる
歌詞を見たら、「実際にどう発音されているか」を耳で感じてみましょう。
ネイティブが歌うと、単語の音がつながったり、省略されたりと、思った通りに聞こえないことが多いはずです。
たとえば、“don’t you”が「ドンチュ」に、「want to」が「ワナ」に聞こえたり。
「こんなふうに聞こえるんだ」という発見が、英語の音に対する感覚を育ててくれます。
この「聞こえ方のギャップ」に気づくことこそ、リスニング力アップのヒント!



教材では味わえない生きた音を学べるチャンスです
真似して、声に出してみる
最後のステップは、実際に声に出してみること。
自分の口で音を出そうとすると、自然と集中力が高まり、音を拾おうとする耳が育っていくからです。
さらに、一度自分で発音できるようになると、その音が聞き取りやすくなるという効果も期待できます。
このとき注意したいのは、カタカナ発音で読まないこと。
ネイティブの発音を意識しながら、そのまま真似するつもりで発声してみてください。



リスニング力を伸ばすうえで「真似して発音すること」はとても効果的。
歌うだけでなく歌詞を朗読するのもおすすめですよ!
よくある質問とその回答


ここでは洋楽を使った英語のリスニング力強化についてのよくある質問とその回答を紹介します。
質問1:洋楽を使った学習は初心者にも向いていますか?
英語に対してポジティブな気持ちを持ちたい初心者にはおすすめです。
ただし洋楽だけでなく、基礎的な語彙力や文法の学習と並行して使うのが理想的です。
質問2:どんな曲がリスニング練習に向いていますか?
A. 発音がクリアでテンポがゆっくりな曲が向いています。ディズニーソングは初心者には特におすすめです。ポップスなら、ワンダイレクションの歌詞はシンプルで取り組みやすいです。テイラースウィフトは、ストーリー性や表現力が豊かなものも多く、少しレベルアップしたい方に向いていると思います。
質問3:歌詞の意味が深すぎて理解できないときはどうしたらいい?
詩的な表現は必ずしも一語一句理解しなくても大丈夫。ざっくりとしたストーリーや感情を感じ取ることを意識すると、学習のストレスも減ります。曲はアートですから、ネイティブでさえ解釈が分かれることもあります。かんんペキに理解できるまで粘らずに、別の曲で学習を進めるのもいいでしょう、
質問4:洋楽学習を続けるコツはありますか?
自分の好きなジャンルやアーティストを選ぶことが一番の継続の秘訣です。「この曲の意味を知りたい!」という好奇心が、学習を自然に後押ししてくれます。
質問5:洋楽で文法は身につきますか?
洋楽の歌詞は必ずしも文法が正しいとは限りません。文法を学ぶ教材としては効果は弱いでしょう。ただし大半は文法的にも問題ないことがほとんどなので、教科書で習う表現が実際どんなふうに使われているのか知るにはとても役立つと思います。
この記事のまとめ:洋楽は、リスニング力を伸ばす「きっかけ」になる


この記事では、「洋楽ばかり聴いていても、リスニング力って本当に伸びるの?」と感じている方に向けて、
洋楽を英語学習に活かすための3つのコツと、注意したいポイントをお伝えしました。
洋楽には、ネイティブの自然な発音や、英語特有の音のつながりがたくさん詰まっています。
楽しみながら英語の音に触れられるという点で、リスニング力を伸ばす心強い味方になるでしょう。
ただし、歌詞はあくまで「作品」として作られているので、比喩やスラング、崩した発音なども多く含まれています。
なので英語教材のように、正確な聞き取りを目的とするにはあまり向いてないな、というのが本音…。
だからこそ、
「教材+洋楽」のようにバランスをとって使うことがポイントです。
気に入ったフレーズを真似してみる。
気になる表現は意味を調べてみる。
そんなふうに、意識的に聴いていくこと、英語力アップに繋げられますよ。



リスニングは、たくさんの音に触れた分だけ伸びていきます。
あなたの好きな音楽と一緒に、楽しく英語耳を育てていきましょう!